夜に舞う桜~夜桜~

「同じ顔だったら誰でもいいのか?


俺は圭のおまけなのか?


そう思い始めた。


それから、俺は女嫌いになった」


舜太の過去は悲しいものだった。


私には双子なんていないから、舜太の痛みはわからない。


だけど私には、モテるし強くてかっこよくて優しいお兄ちゃんがいた。


男と女だから比べられることはなかったけど。


「前までは彼女もいたりしたけど、触れるのも触れられるのも怖くなった」


顔は同じでも2人は違う人間。


それをわかってくれる人が、今まで天龍のメンバーしかいなかったんだね……。


だけど大丈夫。


もう安心してもいいんだよ。


そんな思いを込めて微笑んだ。