「は?」


「力だけが強さじゃねぇよ。…お前には大切なものはあるか?」


「………」


俺がそう言うと男の子は黙ってしまった。


もしかして、ない…とか?


いや、家族とか友達とかはいるはずだ。


だって男の子を見るとわかる。


大切なものがいて、大切な思い出がある。


だからこそ、強くなりたいと願うんだろう?


俺は黙ってしまった男の子を無視して続けた。