夜に舞う桜~夜桜~

真冬side


私は悠達がいないところで、風龍と聞くと取り乱してしまう。


悠達は風龍との事を知ってるから、私の前であまり風龍とは言わない。


言うときは、緊急なとき。


例えば、また汚い事をしだした…みたいな。


最近、そればっかりで風龍の名前を今まででよく聞くようになった。


だからかな。


精神的にきていたんだと思う。


「…ヒック…ごめっ…ん」


「真冬。俺達をそいつらから守らしてくれないか?」


え…?


私、あんな状態になったのに…ひかないの?


「…私は守ってもらうような人間じゃない」


私はあの日の罪と戦い続ける。


…私が死ぬまでずっと。


そうだよね?


お兄ちゃん……。