夜に舞う桜~夜桜~

圭side


俺が“風龍”と言うと真冬がいきなり叫び出した。


「真冬!落ちついて!」


チッ。和斗でもだめか。


「いやあぁぁぁぁ!こないでっ…!どうしてよぉ…」


こないで?


真冬は俺達を通して何を見ているんだ?


って、それより!


俺は真冬の腕を引っ張り抱きよせた。


「もう大丈夫だ!落ちつけ!」


左手で抱きしめ、右手で背中をゆっくりと叩く。


それが効いたのか、真冬はだんだん落ちついていった。


風龍と何かあったのか?


いつか…話してくれるか?


真冬…。