夜に舞う桜~夜桜~

「無理だ」


「何で?私の勝手じゃん」


「…………」


何か言えよ。


何か雅哉に言ってるみたい。


でも黙ってるっていうのは卑怯じゃない?


「…帰るな」


その言葉と同時に掴まれる左手。


ちっ、この姿じゃなかったら今すぐにでもこの腕を投げ飛ばすのにっ!


「ちょっ!」


和斗達は助ける気ないっぽいし。


ぶんぶん振り回しても、離してくれる気配はない。


「もうっ!離してよ!」


思いっきり振り回すと、すっと離された。


あれ?


案外あっさり…。


「…真冬が倉庫に入るところを見られた」


え?入るところを?


というか、もっと周り厳重にしなさいよ…。


「誰に?」


そして、圭は私にとってNGの言葉を口にする。