夜に舞う桜~夜桜~

「同盟を結すんだら嫌でも…」


お父さんの言いたい事はわかってる。


私が双龍の総長で、夜桜だから。


バレるけど、いいのか?


そう聞いているんでしょう?


確かにこの温かい場所がなくなるのは嫌。


最初は嫌で、半分強制的に姫になったけど。


過ごしていく内に、大切な場所となっていった。


失う辛さをよく知っているよ?


だけどね、何もしないで失うより、何かをして失う方がいいと思うんだ。


それに、一番辛いのは仲間が傷つく事なんだ。


「いいの。仲間に手を出されて、じっと待つよりいい」


「フッ。そうか。真冬の覚悟が聞けて良かったよ。…じゃあ、帰るな」


「「さようなら!」」


にっこりと満面の笑みを浮かばせ、手を振りながら去って行く父。


お父さんは心配して、ハッキングしてまできてくれたんだよね。


ありがとう。


ちゃんとわかってるし、覚悟もしてるから。


もう大丈夫だよ。