「真冬」


悠が目で“止めろ”と言っている。


あ、悠も正体分かったんだ。


さすが私の幼なじみ。


だてに数十年の付き合いじゃないね。


「は~い」


軽く返事をし、圭の前に出る。


「おぉ!真冬一!」


そう言って抱きつこうとしたこいつを、私は思いっきり回し蹴りをした。


回し蹴りを食らった男は、音を立てながら倒れる。


うん、手応えはある。


「「「「っ!?」」」」


そりゃあ、ビックリするか。


一般人の私が、大の男を蹴り飛ばしたもんね。


いや、一般人ではないけど。


それより種あかしにしましょうか。