真冬side


お兄ちゃんが目を覚してから2日。


最初は食べれなかったご飯も、今ではもう食べれるようになった。


お兄ちゃんの異様な回復力に、先生達も目を丸くしている。


そんな先生を横目で見ながら、私は帰る準備を始めている。


本当はもっといたいけど、お兄ちゃんが心配するんだよね〜。


お父さんもそうだけど、私が夜桜って絶対忘れてるよね?


「じゃあ、帰るね?」


「ああ。1人で大丈夫か?」


「うん!私を狙う人なんて物好きだよ~!」


「この無自覚が…」


お兄ちゃんが何かを呟いたみたいだったけど、私には何を言っているのか聞こえなかった。


「ん?」


「何でもねぇよ。気をつけてな」


大丈夫なのに…。


心配性だなぁ…。


「うん!じゃぁね~!」


こうして、私は病院を出た。