「真冬…」


わかってる……。


お兄ちゃんは、私のせいでずっと眠ったまま…。


お兄ちゃんがこんな事になったのは私のせいなのに…。


私が“もう一度名前を呼んでほしい”なんて……。


願っていいわけない…。


だけど……。


「…お兄ちゃん言ってたの。“大切な者がいる内は幸せだ。でも、大切な者の存在に気づけない人は悲しい。その人を失ってから気づいたならもっと悲しい”って…。私達は気づいてるよ?でもね…気づいてるから余計辛いの!」


あの頃はわからなかった言葉。


だけど今ならわかるよ。


「真冬…」


「お兄ちゃんが、私を大切にしてくれて本当に嬉しかった。…私にありがとうも言わせてくれないなんて…。ずるいよ…」


私にお礼も言わせてくれないなんて…そんなのダメだよっ…。


だから…早く目を覚まして。


負けないでっ!!