「お前が戻ってくるって信じて、総長の席空けてるんだぜ?」


翔吾君は泣きながら、お兄ちゃんに叫んでる。


翔吾君とお兄ちゃんは親友といってもいいくらい仲が良くて。


眠ってるお兄ちゃんを翔吾君はずっと待ち続けていた。


「お前がいねぇと仕事が溜まってやべえんだよっ。知ってるだろ?俺が総長ってタマじゃねぇことくらい」


翔吾君はずっと心に秘めていた思いを口にする。


私は、その姿が痛々しくて見ていられない…。


そんな中、私ができる事は……。


お兄ちゃんが目を覚ますのを願うだけ…。


私はお兄ちゃんの元へ行き、手を握った。


「私を許さなくていい。だから…目を覚まして!」


お願いっ……。