「おーい。いたぞー!」


混乱する本人を放置し、誰に叫ぶ智。


誰に言ってんだ?


そこには誰がいてる?


「真冬!」


扉から入ってきたのは、俺もよく知る大樹で。


大樹は一直線に真冬に駆け寄った。


「大樹!?ケガは!?」


そう言えば、骨折したって言ってたな。


「それはいいから!…よく聞いてね?」


よくねぇよ。


ツッコミたいが、今はそんな空気じゃない。


何か…嫌な予感がする。


「え?うん」


そして大樹は…真冬にとって残酷な事を口にした。