朝7時前にあたしは隣の家に向かう。


ピンポーン


インターホンを押してドアを開けると、ちょうど旭さんが立っていた。


「おはよ、笑ちゃん。ごめんね、一応起こそうとしたんだけど」


申し訳なさそうに旭さんは言って、時計を見遣る。


「やば、遅刻!巧、よろしくね」


慌てて出て行く旭さんを見送り、あたしは2階へ上がる。


突き当たった部屋、念のためノックはするけど返事はナシ。


ドアを開けたら、真っ先に目に入るあどけない寝顔。

あたし・月島笑(ツキシマエミ)と、この爆睡男・雪宮巧(ユキミヤタクミ)は幼なじみ。


あたしの日課は低血圧の幼なじみを起こしにくることだ。