百鬼夜行の主



女子が最近騒ぎ出したのは、俺が前見せた百鬼夜行の画像からだった。


あの画像に映っていた主らしき奴が五十嵐に似ている&めっちゃイケメンだったため、女子が陰で五十嵐を王子といい始めたのだ。


当の本人は知らないが、巷で人気の俺らと同い年ぐらいのアイドルグループの写真と合成うんぬんした奴が陰で流通しているらしい。


「…ホオ…ズ…キ…」


五十嵐の口からホオズキという単語がこぼれた。


鬼灯?植物の名前か?


俺はそっと五十嵐の顔を覗き込んだ。


その頬には涙が一筋伝っていて、睫毛を濡らしていた。


「…近寄り互い奴でも、泣くことはあるんだな」


俺は五十嵐の涙をぬぐうと、静かに屋上から出た。