四月朔日Side
「ねみぃ…」
俺は屋上のドアを開けながら呟いた。
授業は暇だし聞いても頭に入らない。だからサボっている。
「不良だな」とか言われそうだが別に周りは気にしないタイプだからかまわない。
欠伸交じりで給水塔のそばに行くための梯子を登ると、黒い何かがあった。
好奇心でその黒い何かを見ると、それは女子生徒だった。
「えっと…五十嵐だな」
俺は五十嵐のそばに座った。
目をびっしりと覆う睫毛に透明感のある肌。鋭い印象を醸し出す目は閉じられているため、今は普通の女子(美少女の部類に入りそうだが胸がない)が寝ているように見える。
「…こんな普通の女子が「王子」ねぇ…」


