-屋上
私は授業をさぼって屋上の給水塔の近くで寝そべった。
出席日数はなんとかなるし、保健室で仮病使って寝るよりはましだ。
目線の先に鉛色の空が広がっている。それは今の私の心を現しているようだった。
「昨日の烏天狗…私が鬼であるという事実…両方とも夢じゃないんだよね…」
あの後、鬼灯に聞くと私は大量失血で倒れたらしい。それでも生きていたのは持ち前の回復力の高さ―鬼の血が関係しているという。
「…鬼なら、いつか牙とか角とか生えてくるのかな?」
―鬼灯みたいに。私はふっと、「それでもいい」と思った。
鬼灯みたいな戦闘力があれば、百鬼夜行はもっと強くなれる。
もっと強くなりたい―そう思いながら私は目を閉じ、鉛色の空をシャットアウトした。


