「鬼灯、昨日の烏天狗に羽織みたいなのなかったよね…?」 私は登校途中、昨日のことを話題に持ち出した。 「えぇ、羽織は見当たりませんでした。しかし、少し謎なんですが…」 「何か引っかかるの?」 鬼灯が何かを考えているような顔をした。 「烏天狗が死ぬ瞬間、一瞬でしたが狐の面が現れたんです」 …狐の面? 「それがどうしたんだ?」 「いえ…何でもありません」 …何かよからぬことが起きないといいのだが…