腰まである漆黒の髪にそれとは対照的に真っ白な肌。 そして闇の中でもよく目立つ赤く艶めく唇と澄んだ水色の瞳。 薄い着物を着ていた美少女は妖艶に微笑んでいた。 それだけで周りの空気が一瞬で温度を下げた。 そう、こいつが私を百鬼夜行の主にさせた雪女―雪羅(ゆうら)だ。 『はいはい、野蛮な奴らは離れなさい。氷漬けにされたいドMなら来てもいいけど』 雪羅が冷たく言い放つ。 私はそれを呆れた目で見ていた。