『こんな夜更けに何やってんだお前は?』 「鬼李さん!」 少女は目を輝かせながら鬼李の名前を叫ぶ。 少女はやはり啾瑠だった。パジャマ姿の啾瑠がベランダの柵に上りこちら側に手を伸ばす。 『危ないぞ、落っこちたらどうするんだ?』 「平気ですよ…キャ!!」 啾瑠がバランスを崩し、前のめりに落ちる。 『お、おい!!』 鬼李は慌てて一反木綿から飛び降り、啾瑠を受け止めた。 ―温かい