とあるビルの屋上― 『ここまでこればいいだろう…』 男が少女を見る。あどけなさを残した瞳に漆黒の髪と真っ白な肌。普通に美少女と言えるような少女はおびえながら男を見ていた。 「あの…あなたはいったい…?」 『俺は鬼李。みての通り鬼だ。アンタは?』 「…五十嵐 啾瑠(いがらしなくる)…」 啾瑠は呟く。鬼李は微笑み、啾瑠の頭を撫でた。 『ま、よろしくな。啾瑠』