百鬼夜行の主




昼休み、やっぱり雪羅の周りには人だかりができている。



美人なんだから当たり前と言えば当たり前なのだが、正直どこがいいのかが分からない。


まぁ、それは私が雪羅の本質を知っているからかもしれない。


人だかりの中、四月朔日君が雪羅に近づいた。


「橘さん、先生から校内を案内しろって言われてるんだけど…来てくれない?」


「はい、有り難うございます」


雪羅が笑顔を四月朔日君に向けた。


「じゃ、いこっか」


雪羅達が並んで教室から出て行った。