百鬼夜行の主




「どういうつもり!?」


屋上に着き、開口一番に私は叫んだ。雪羅は私の声に怯みもせずただ不思議そうに首をかしげた。



「鬼灯から聞かなかったんですか?情報収集兼主様の護衛だって…」


「私は鬼灯に「絶対に来るな」って言ったんだけど?」


雪羅がため息をつく。溜息をつきたいのは私の方だと言いたいが言わなかった。


「主様、これは非常事態だってお解りですよね?」


「知ってる。だからこそ護衛は必要ない」


私は雪羅に告げると、屋上を出た。