「席に着けー今日は転校生がこのクラスにくる。入れー」
担任が教室のドアを開けながら告げる。どうやら男子の話は本当みたいだ。ま、私には関係ないだろう。
軽い足跡をたてながら転校生が入ってくる。
転校生が来ようが私には関係ない。なぜなら、転校生だろうと関わらないから興味などない。
しかし、男子が騒ぐほどの美少女だからどんな見た目なのかは気になる。そう思いながら私はふっと顔を上げ転校生の顔を見て―固まった。
そこに立っていた転校生は、すっごく美人で―自分を百鬼夜行の主にした張本人だったからだ。
「橘雪羅です(たちばなゆきら)、よろしくお願いします」
雪羅が微笑んだ。刹那、男子達が叫び声をあげる。
男子が奇妙な叫び声をあげている中、私はただ固まるしかなかった。


