言った後、私は鬼灯の顔が見れなかった。
時間が止まったような感覚が私を襲った。
鬼灯の顔が見れない。私は俯き、自分の足元をじっと見ていた。鬼灯がどんな顔をしているのか、分かりたくなかったのだ。
「………先を越されましたか」
「えっ……んッ!?」
鬼灯が私の顎を強引に手で持ち上げるー目の前に鬼灯の秀麗な顔があり、唇に柔らかい感触があった。
今、私は鬼灯にキスされてるのか…!?
鬼灯の顔が離れると、私の顔は真っ赤になった。
鬼灯が静かに微笑み、私を抱き締めた。
「主様、ずっと従者としてこの気持ちを隠してました。しかし、もう抑えれないみたいです…主様、俺は貴女様の事が好きです…」
私は耳を疑った。鬼灯は…私の事が好きなのか…?
耳元で、鬼灯が囁く。
『主様、愛してます』
私は小さく頷きながら、鬼灯の背中に手を回した。