その後―
雪羅御用達の店に私は引きずり込まれ、雪羅の着せ替え人形にされて約1時間がたった
やっといい服が見つかったようで雪羅は会計をしている。
私は店の外に出てベンチに座っていた―誰かの着せ替え人形なんていつぶりだろうか。
私は近くの自動販売機で買った缶コーヒーを飲みながら考える。
「あれ?五十嵐?」
頭上から男子の声が聞こえた。顔をあげると明るい茶色の短髪、平々凡々な顔立ち、白いポロシャツにカーゴパンツ姿の四月朔日君だった。
「隣、座ってもいい?」
私は首を縦に振り、ベンチの端っこに座った。四月朔日君が私の隣に座る。
「橘…雪羅さんと買い物?」
「そう。連れまわされて着せ替え人形状態。おかげでこっちは疲れちゃったよ…」
四月朔日君とは抗争での一件で仲良くなった。抗争が始まる前、気狐は私をあぶりだすために四月朔日君の姿でカラスやら猫やらを殺しまくったらしい。
それで四月朔日君が動物虐待で捕まりそうになったけど雑鬼達が四月朔日君(本物)を尾行してやってないっていう決定的な証拠が見つけて、無罪ってことが証明。
抗争が終わった数日後、四月朔日君が私のところへお礼に来たせいでばれたけど…


