百鬼夜行の主



『主様、お怪我は!?』

鬼灯が首切り包丁を置き、私の顔を覗き込む。


「私は平気だ。それより…」


私は風が集まっているブロック塀を見た。

風は何かを取り巻くかのように渦を巻いている。


『ククク…部下に守られている主とは、腑抜けになったものだなぁ…』


今まで渦を巻いていた風が静かに止み、そこから声の主が現れた。


私は目を見開いた。そして、静かに声を出した。










「四月朔日…君?」