百鬼夜行の主


-放課後


「最近、何かいい情報あった?」


下校中、私は鬼灯に話しかけた。


「いえ…今のところはっきりした情報はありません。生徒の噂といっても恋愛沙汰や町のうまい店ぐらいなので。これといった情報はないですね」


「…昨日の、何か引っかかるんだよねーなんでだろ?」


鬼灯が口を開いた。刹那、獣の唸り声のような音を立てながら突風が私達を取り巻いた。


「主様!」

鬼灯が変化を解き、本来の姿に戻る。


首切り包丁を盾に風を防ぐ。


しばらくして、風がある方向に集まって行った。