百鬼夜行の主



幽Side


「…ちゃん…うちゃん」


「ん…」

誰かに呼ばれ、私は目をゆっくり開けた。


ぼやけた視界に映るのは見慣れた黒髪美女―雪羅だ


「幽ちゃん、授業サボっちゃだめじゃないですか」


子供を叱る母親のような口調で雪羅が言う。


私はゆっくりと身体を起こした。


「いいじゃん…それなりに単位は取れてんだし…一回ぐらいサボっても別にテストで取り返せばいいんだから…」


欠伸交じりに呟くと、雪羅が絶句していた。