「雪羅、早く刀くれ…」 『はぁい♪』 何気に楽しんでいるであろう口調に、私は呆れてものが言えない状態であった。 「で、今日はどこに出たの?」 『紋司詩町(あやかしちょう)二丁目、結構数はいますよ』 雪羅の横に立っていた銀髪の綺麗な若草色の瞳に額に角を生やした秀麗な顔立ちの鬼が告げる。―鬼灯(ほおずき)だ 「了解、じゃ…」 私は近くにあった羽織を着ると、大勢の妖怪達の前に立った。