その日、日本中が一匹の珍獣の話題でもちきりだった。


八王子の山間で新種のモモンガが発見されたのだ。


従来との違いは、おでこから紐のようなものが伸びていて、その先が豆電球みたいに発光するところ。


チョウチンアンコウのようなモモンガということで「チョウチンモモンガ」と名付けられたのである。


ほたるのクラスでも話題騒然だ。


「今朝のワイドショー見た?
めっちゃかわいかったねー」


関西から引っ越してきたばかりの優奈も興奮気味にまくしたてる。


ちなみに優奈の家もお金持ち。


大阪を拠点に営業するお好み焼きとたこ焼きのチェーン店がヒットし、ついに東京に進出。


以前から東京暮らしに憧れていた優奈は単身で上京していた。


といっても身の回りの世話をする執事やらメイドやらも一緒に連れてきているので純粋な単身とはいえない。


青山にあるタワーマンションのペントハウスから通っていた。


ほたるはニコニコ顔で言った。


「うん。
チョウチンモモンガ、私もかわいいと思った。
ぬいぐるみが発売されたら買おうかなー」


「ぬいぐるみって、アンタ、えらいセコいなー」


「セコいかな?」


「どうせなら本物を飼おうや」