パーフェクトティーチャー

「ほたるどうしたの?」


一人の稽古を終えた真美が水筒のお茶で喉を潤しながら尋ねた。


「氷室先生と話があってね。
先生、もうすぐここへ来ると思うんだ。
まだ来てないでしょ?」


「うん。
今日はまだだね」


もうすぐ担任の教師が各教室を見回る時間だった。


「ところでさー、真美はなんでいつもつっこみの練習ばっかりしてるのさ?」


「そりゃー、私はつっこみしかできないからに決まってるじゃん」


「ふうん。
じゃあ、ボケは不向きと考える理由は何なの?」


「とぼけた感じの子がやるのがボケでしょ。
いわゆる天然ボケ系。
私みたいな利発なタイプはつっこみがいいのよ。
ボケても伝わらないと思うんだ」