「…明るかったんだね。」

私の言葉はいつの間にか、過去形になっていた。
確かに、今の彼からはこんな時の事なんか、感じない。


翔太は………翔太は、その時どんな気持ちで動画を撮ってたの?
まさか、あんな事になるなんて、考えてもなかった。そうでしょ?翔太。


「翔太……辛かった?」


そんなの、当たり前じゃん、私。


「……俺より、あいつの方が辛いはず。」


辛いって言いなよ…………強がんないでよ。



「分かった。」

「……?」

「ううん。何でもない。」


何だよ、と言わんばかりの顔で私を見る。





私なりの上原を呼び戻す方法。…見つけた。



「じゃあ、私、帰るね。」

「あぁ、ありがとな。気を付けろよ。」

「こっちこそ、ありがとう。」

階段を降りると、翔太母が飛んできた。