―――あれから、1週間が過ぎた。


「…というわけで、相沢は記憶がないんだ。みんな、相沢の記憶がはやく戻るように協力しろよー?」


担任の言葉に、クラスのやつらが返事をする。


まあ、クラスでも人気だったしな春は…。


「じゃあ、相沢なんか一言でもいいから言えるか?」


「あ、はいっ…」


まるで、転校生が初めてこのクラスにやってきたみたいな感覚。


「えっと、記憶喪失になって…高校生になってから出会った人のことは覚えてないです…。でも、思い出したいので、よろしくお願いします」