「ああ。昨日、病院言ったら…『あなた、誰?』って言われちまった…」


俺は力なくはは、と笑う。


「お、い…ちょっと待てよ。つーことは…俺のことも覚えてねぇ?」


「……いや…多分彼方のことは覚えてる」


彼方と春は中学が一緒だって言ってたし。


「え、じゃあなんで優斗のこと……」


「アイツ…自分が中学生だって思ってんだ…」


つまり、この中2から高2までの記憶がすっぽりなくなっている。


「ま、じ…かよ…」