「いや…、急すぎねぇ?」


「馬鹿ね。モタモタしてたら聖に春取られちゃうじゃん」


南野の言うことは言える。


アイツは本気だ。


「んまぁ、決まりね。春にはあたしから言っとくから」


「本当に大丈夫かよ」


「なんで俺まで…」


「あたしに任せないさいよ♪このデートで春が高原を意識するようにするのが目的だし」


……本当に大丈夫だろうか。


―――こうして、不安だらけのダブルデートは幕を開けた。