僕の想いが届くように



「じゃあな、優斗ー」


「おー」


彼方も帰って行き、教室には俺と春だけになった。


いや、正確には3人か。


幸村の鞄がまだある。


幸村はまだ学校のなかにいるだろう。


でも、今しか話しかけるタイミングがない。


そう思い、俺は帰りの用意をしている春の席へと歩み寄った。