もし、君の涙を拭えるなら

くまは、何かしらの言葉のあとに、私の名前をいちいちつける。





「私、あんたのことなんて呼んだらいいの?今まで、名前つけたこと無いんだけど……」





『うーん……』





くまは、唸りながら何か考えていた。そして、思い付いたように言った。





『みづきが決めてよ。』





「……は?」





『だって、僕はみづきの人形なんだから、みづきが付けて。』





そう言って、ニッコリと笑った。