もし、君の涙を拭えるなら

「それは、レアだよ。私は、この部屋でしか泣かないから。人前じゃ、泣かないから……」






『うん、知ってるよ。』






「ねえ、本当に幻覚じゃないの?」






くまは、またニッコリと笑って(本当に、愛らしくて可愛い)、言った。






『違うよ。僕は、幻覚じゃない。みづきのそばにいたくまだよ。』






本当なんだろうか……






でも、今はこのくまが言うことを、信じてみることにした。