もし、君の涙を拭えるなら

そんな、非現実的なこと、信じられる訳がない。






でも、信じないハッキリした理由も、今のところ思い付かない。






「ねえ、ずっと私を見てきたの?」






『うん。』






「ずっと?」






『うん、ずっと。みづきが三歳の時から、ずっと。』





ていうことは……






「私が泣いてるとこも、見た?」






くまは、少し考えるように黙ってから、頷いた。