もし、君の涙を拭えるなら

「あんたは、私が作り出した幻覚幻聴?」






くまは、困ったように、更に首をかしげながら、答えた。






『僕にも、わからない。ただ、多分違うなって思ってる。』






「どうして?」






『僕がずっと、みづきと話したかったから。』






くまは、ニッコリと笑った。本当に、可愛い。どこからどう見ても、私の部屋にあるくまだ。






「何、それ。」






『僕は、僕がみづきの部屋に来た時から、みづきと話したかったんだ。その願いが、叶ったんだなって、僕は思う。』