声で分かった。 だって愛しい人の声だもん。 授業中だって、声をずっときいてたから。 すぐ廣田くんだって分かったよ。 「別に‥」 急いで涙をぬぐって可愛くない返事をしてしまった。 「なんもないわけなさそうだけど、話しくらいなら聞くぜ。」 いつもの笑顔じゃなく真剣な顔だった。