あたしは、ぼーっとしながら教室のドアを開ける。

その時…

ドンッッッ!!!

「キャッ」
あたしはシリモチをついてしまった。

「あまねちゃん大丈夫?」
顔をあげるとクラス委員の西川蓮。
心配そうにあたしの顔を覗きこむ。
西川くん…

「あはっ、大丈夫!西川くんメガネずれてるよ」
ちゃかすようにあたしが言う。
すると西川くんは急いでメガネを直し、行ってしまった。



「あまねー」
この響き渡るようなデカイ声は、親友の西園寺まこと。
「まこと。おはよん」
あたしが落ち着いた声で返す。

「今日も龍くんと仲よく登校でちゅか?」
いつものように、ちゃかすように言うまこと。

「ぅん。だってボディーガードらしいし」
慣れた口調で返す。
「どんだけ箱入り娘なんだか」
そう言ってケラケラ笑う。

実はあたし…
こー見えて一度もお付き合いをしたことがないんです!
ってか初恋もまだだったり…
周りからは見た目のせいかそれなりに経験あるように見られる…
親友まことにさえ打ち明けてない。
だって初恋もまだなんて恥ずかしいでしょ?


見た目がこんなだから
軽く言いよってくる人もちらほら…

噂をすればほら………