もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

朝から騒がしく流れる、町のアナウンス。


“本日の花火大会、予定通り決行致します!”


何度も、何度も……。


「もう、分かったから! 花火大会をやるんでしょ。浴衣姿のカップルが……、はぁーあっ」


氷の入ったグラスに、勢いよくアイスティーを注ぐ優衣。


「姉ちゃん! 夏月が一緒に花火見に行かないかって言ってっけど」


通話中の携帯を耳に当てながら、リビングに下りてくる陽太。


「あっ、今日、バイトなの! なっちゃん、ごめーん」
(そうそう! 私はバイトで行けないの)


電話の向こうに居る夏月に聞こえるように叫ぶ。


待ち合わせの時間を約束して、電話を切った陽太。


優衣の目の前に座り、パンを頬張る。


その時、


「あっ、そうだ!」


優衣は、いいことを思い付いた。