もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「ただいま……」


独り言のように呟きながら玄関を上がると、客間の方から母親の話す声が聞こえてきた。


「あれっ、お客さん!?」


振り返って靴を確認するが、


そこにあるのは、母親のサンダルと自分の脱いだ靴が2足。


それらしきものは見当たらない。


静かに、客間の方へと進んでいく……。


そして、その襖を少し開けてみた。


「んっ!?」


そこには、床の間に向かって楽しそうに笑う母親の姿が……。


目を凝らしてよーく見てみると、


「はっ!?」


なんと、母親の前に敷かれた座布団の上には、正座をしてかしこまっているおじさんが!


「はぁーーーあっ!!」


「あらっ、優衣帰ってたの?」


遠のいていく意識の中、無言のまま何度も頷く。