もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「……あの、特に予定はないですけど」


体裁悪そうに答える優衣。


「ほんとっ! それならラストまで入ってもらえないかなぁ」


「あっ、はいっ、分かりました」


あっさりと引き受けて、急いで店の中に入っていく。


「えっ、1分! これって遅刻ーっ!?」


なんと、タイムカードの時計は午後1時01分を指している。


「まじか……」


肩を落としながら自分のカードをラックからサッと抜き出すと、そこには既に12:58の数字が記されていた。


「あれっ?」


着替えが終わった大谷と目が合う。


「感謝しろよ」


大谷は、照れくさそうにロッカーを閉めた。


「うん、ありがとっ」
(なんか……、ちょー嬉しい!)


喜びを隠しきれない。


笑顔でカードを戻す優衣。