もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

電気を点けっぱなしにしていた部屋に戻り、おじさんを本棚の中にそっと下ろす。


そして、出窓のカーテンを閉めながら、今日1日の出来事を話し始めた。


「もう参っちゃったよーっ、大谷がイケメンだなんて……」


『オータニは、イケメンじゃナイノカイ!?』


「まぁ、みんなはカッコイイとか言ってるけど、私はそんなふうには思えない」


おじさんは珍しく眼鏡をかけて、石鹸箱で作った机に向かっている。


「ねぇおじさん、聞いてる!?」


『キイテル、キイテル』


「さっきから、何書いてるの?」


『コレ、報告書』


「へぇーっ、妖精の世界にもそんなものがあるんだーっ」


『アル、アル』


書き物に夢中になって、話を適当に聞いているおじさん。


優衣はゆっくりとおじさんに近付き、大きな声で呼んでみた。