もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

「お父さん、いつもこのバスに乗ってるの?」


「いやっ、こんな早いバスに乗ることは滅多にないなぁ……。ほとんどが最終だよ」


そしてまた、流れる汗を拭う……。


「あっ、そうそう! 私、駅前のMバーガーでバイト始めたから」


「なんだ! 聞いてないぞっ」


「あっ、今日からだからっ」


呆れる父親と一方的な娘の会話は続き……、バスは家路を辿る。


紫色の香りのするバス停に降りた時、優衣はようやく妖精のおじさんの存在を思いだした。


「あーーーーーっ!!」


「どうした!?」


優衣は、父親には内緒だったことも思いだした。


「ううん、なんでもないっ」


「いきなり大きな声を出すんじゃない!」


「はぁーいっ……」


驚いた父親から流れる汗は、もう尋常ではない。