もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

それから優衣は、店長から接客の指導を受け、憧れていたカウンターに初めて立った。


「いらっしゃいませ、ハンバーガーとコーラですね」
(キャーッ! 私、Mバーガーのお姉さんじゃーん♪)


イケメン2人は大きく外れたけれど、取り合えず初日はいい感じで終わった。


帰りのバスに乗る頃には陽も完全に落ち、駅前がライトアップされていた。


「ふぅーっ、もう足がパンパンッ」


空いている席に座り込み、脹らはぎをさすっていると、優衣の目の前に仕事帰りの父親が現れた。


「あっ、お父さん!」


「若いんだから立ちなさい!」


「はぁい……」
(きっつーい!)


仕方なく立ち上がり、父親と並んだ。


父親は流れる汗をハンカチで拭いながら、窓の向こうを流れる夜の景色を嬉しそうに眺めている。