もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

従業員専用の部屋に入ると、大谷は、自分のタイムカードと無記名のタイムカードを続けて差し込んだ。


「はいっ、これ名前書いて」


「…………」


差し出されたタイムカードを、無言で受け取る。


「なんか怒ってる?」


優衣の顔を覗き込む大谷。


「別に……」


「やっぱ、怒ってんだろ!?」


「あのねーっ! あんな公衆の面前であんなふうに侮辱されたら、誰だって気分悪くなるでしょーっ」


「大げさだなぁ、冗談じゃん。それに、そっちだって言いたいこと言ってたじゃん」


「それは……、大谷が言うからじゃん!」


どっちも引かない言い争いを続けている最中、入り口のドアが勢いよく開いた。