もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

シーーーンッ……。


なぜか、家の中は静まり返っている。


「えっ、ちょっと、今何時?」


振り返って、開けっ放しになっている自分の部屋の時計を確認する。


「5時ーーーっ!?????」


すぐに部屋に戻り、再びベッドに潜り込む優衣。


「ちょっとおじさん、まだ5時じゃない! もう少し寝るから起こさないでねっ」


おじさんは優衣の言葉には耳を貸さずに、カリッカリッと軽快な音を立てて角砂糖を食べている。


『ユイ、アリガトー。最高にオイシイヨッ』


「う〜ん、zzz……」


それから優衣は、2時間ほど眠り続けた。


その間に、律儀な陽太がおじさんに挨拶をしに入ってきていたが、意識はなかった。


やがて、いつもの慌ただしい朝に……。


「おじさん! お母さんが入ってきたらすぐに隠れてね」


『アイヨ』


おじさんは窓の外を眺めながら、後ろ姿で優衣を見送った。