『ユイ!』


「う〜ん、zzz……」


(くすぐったぁい……。耳が、くすぐったいよ〜っ)


熟睡している優衣の耳を引っ張って、必死に呼び続けるおじさん。


「う〜んっ、くすぐったい、てば!」


おもむろに寝返りをうったその瞬間、おじさんは払いのけられベッドに転落。


『イタタタッ!』


めげずに、今度は額の上によじ登り、もう一度名前を呼ぶ。


『ちょっと、ユイ!』


(えっ、誰か呼んでる?)


重い瞼を少し開けてみると、額の上から覗きこんでいるおじさんと目が合った。


「んっ!? ……ギャーーーッ!!」


おじさんはまた払いのけられ、今度は床に落下。


『ウッ、モー駄目ダッ』


完全にノビてしまった。


「あっ!」


その姿にハッとして、ようやく目が覚める優衣。